安全靴は仕事場で使われるため、汚れや傷がつきやすいです。作業靴についた汚れをこまめに落としたり、クリームで保護したりすることで長く使うことが出来ます。ここでは、安全靴のメンテナンス方法と、こびりついた汚れの落とし方について説明します。
安全靴のお手入れってどうすればいいの?
安全靴は定期的にメンテナンスをしてあげると、きれいな状態で長く使うことが出来ます。「毎日手入れにしなければ」と神経質になることはありませんが、最低でもまめに汚れ落としをしておくことと、内部の乾燥には気を配っておきましょう。
安全靴のお手入れ方法ですが、革製の安全靴であれば、まず柔らかい布かブラシで表面の汚れを落とします。次に、柔らかい布に革靴用クリームを取り、全体に薄く伸ばし、磨きながら拭きあげます。ひどく汚れているときは、濡れた布に石鹸を付けてその箇所を拭き取り、最後に乳化性クリームを塗りましょう。
頻度としては、基本的には週1回から2週に1回ぐらいで行いましょう。汚れがひどいときは、その都度お手入れすることで、後々のお手入れが楽になります。
また、蒸れやすい夏場や汗かきの人の場合は、靴内部が徐々に汗で汚れてきて、臭いを放つ場合もあります。その場合、水洗いできればいいのですが、陰干しに時間がかかってしまうので、まずは消臭剤をスプレーしておき、ロッカーにしまうときに新聞紙をまるめて入れておくだけでも臭いを抑えられます。
合成繊維製のスニーカータイプも基本的なお手入れは同じです。ただし、表面の汚れはクリームではなく、靴用シャンプーか台所洗剤を薄めて落とします。
安全靴に靴用のクリームって使ってもいいの?
革製の安全靴に靴用クリームを塗ることは何の問題もありません。むしろクリームを塗ることで、革が固くならず、本来のしなやかさと弾力を保つことができますから、週1回ぐらいは汚れを落としたあと、靴クリームを塗って薄く伸ばしておくのがいいです。
作業靴に使用するクリームには2種類あり、1つは「乳化性クリーム」で、もう1つは「純油性クリーム」です。通常は、革の繊維部分に油が染み込みやすい乳化性クリームを使用し、純油性クリームは1ヶ月に1回程度使えば十分と思います。理由は、純油性クリームを多用すると革質を傷めるからです。
ただし、安全靴には部分的に合成皮革が使われている製品もあります。それら靴に革靴用クリームを塗っても意味ないので、購入するときには素材をよく確かめましょう。
安全靴の汚れやシミがひどい時は、どうしたらいいの?
安全靴のお手入れで悩むのが、こびりついた汚れです。靴の汚れで代表的なのは油汚れですが、製造業、建設現場、自動車整備業、厨房など、あらゆる場所に共通した汚れであると言えます。特に、固まった古い油が泥や砂と交じり合った汚れはなかなか落としにくく、取るのに苦労します。
なかなか落ちない油汚れは、まず布でこすってみましょう。その際、靴用クリーナーには溶剤が含まれているので、それをつけながら少しずつ拭いてみます。こびりついている場合は、マイナスドライバー等で汚れをはがす必要もあるでしょう。ただしあまり強くこすると、革を傷めてしまいますから、丁寧に行います。
また、革製安全靴は黒いですから、シミというより、ペンキ汚れなどは非常に目立ちます。これは一度乾くと容易に落とないので、ペンキがついたら即座に拭き取ることです。ただし、溶剤を使って拭くと、そこだけ色が落ちてシミになったり、革の弾力が落ちたりしてしまうので注意しましょう。何をしてもペンキが落ちず、どうしても気になるという場合には、黒マジックペンで塗ってしまう方法もあります。
安全靴の内部の汚れがひどい場合は、水で洗うのが一番です。そして洗ったあとは水分をよく拭き取り、乾いた新聞紙を詰めて日陰で乾燥させておきます。乾燥に日数がかかることもありますから、もう1足、同じ安全靴があると安心です。