近年、デザインや色が豊富で私服にも合わせられるような、おしゃれな安全靴の人気が高まっています。ここでは、おしゃれ安全靴の代表である「スニーカー安全靴」「スリッポン安全靴」を説明し、おしゃれな安全靴に向く作業内容を紹介します。
おしゃれ安全靴について
近年、従来の作業用安全靴のような見た目の靴以外にも、デザインや色が豊富で私服にも合わせられるようなスニーカー安全靴(プロテクティブスニーカー)やスリッポン安全靴などの人気が高まっています。爪先の先芯や靴底などはJIS規格に相当する機能を持たせつつ、素材を革だけでなく合成繊維も使用することで、遊び心をくすぐるオシャレでスタイリッシュなデザインの作業靴を作ることができるようになりました。
ここでは、おしゃれ安全靴の代表である「スニーカー安全靴」「スリッポン安全靴」を説明し、それぞれに向いた作業内容を紹介します。
スニーカー安全靴(プロスニーカー)
スニーカー安全靴とは、「JIS規格」もしくはJIS規格の一部に相当する「JASS規格」を満たしたプロスニーカーなどの作業靴を指します。先芯は樹脂製のものが多く、素材は革以外に合成繊維を使用することで、軽く歩きやすい作業靴となっています。作業内容によっては、「JIS規格」の安全靴以外は使用できないケースがあるので、職場に確認した上でカタログやお店のスタッフに尋ねて、作業用安全靴を選びましょう。
スニーカー安全靴は、軽量化なだけでなく色やデザインも豊富なので、職場以外でも私服と合わせてからオシャレに履けることから、若年層を中心に人気が広がっています。最近では、アシックスやプーマなどからもスニーカータイプの安全靴が販売されているので、自分の好みや作業服に合わせて選ぶことができます。
また、上面は紐のタイプとマジックテープとがあります。紐は見た目がカッコいいことと、締め具合を微妙に調節することができますが、長期間使用していると紐が切れたり、紐が突起物に引っかかったり、他の足で踏んだりする危険性があります。
マジックテープは、ワンタッチで締めることができるのがメリットですが、デメリットは、紐に比べて微妙な調節ができなかったり、デザインの関係でテープが突起してしまうものがあったり、長期間の使用でマジックテープが劣化することがあるなどがあげられます。
スリッポン安全靴
スリッポン安全靴とは、紐や留め具がなく、足をするりと滑らせて履ける靴のことです。上面に紐などがありませんから、つるんとした外観が特徴で、素材は革製から合成繊維まであります。スリッポンタイプの安全靴はスニーカー安全靴と同様に、おしゃれに履けるという点で人気があります。
たとえば、土木作業や道路舗装など、土や泥など、浸水の危険がある職場では、スニーカータイプの靴では、靴の内部に泥や砂、水などが進入してしまう事があります。その場合は、ハイカットタイプの靴や、長靴などを使用するといいでしょう。
スリッポン安全靴のメリットとしては、紐やテープを緩めたり締めたりする手間が一切不用なので、着脱の多い職場では重宝します。
しかし、着脱しやすいということは、走ったり障害物に引っかかったりすると脱げやすく、職場によっては危険を伴うことがあります。また、スリッポンタイプの安全靴は紐やテープのかわりに、上面左右にある帯ゴムで足甲を押さえているので、長期間の使用ではゴムが伸びて脱げやすくなってしまします。
おしゃれな安全靴に向く作業現場
おしゃれに履ける「スニーカー安全靴」「スリッポン安全靴」ですが、これらの作業靴に向いている作業現場とは、どのようなところでしょうか。
ここでは、おしゃれ安全靴の代表である「スニーカー安全靴」「スリッポン安全靴」を説明し、おしゃれな安全靴に向く作業内容を紹介します。
まずスニーカータイプですが、これはカラフルさを生かして、多くの方に接する接客業の現場や長距離を歩く作業に向いていると言えます。たとえば、ホームセンタースタッフ、宅配便ドライバー、清掃業、測量などの作業内容におすすめです。また、自動車ディーラーのスタッフはショールームと整備工場を行ったり来たりするので、接客業兼工場という職場にも適しています。
次にスリッポンタイプですが、靴を頻繁に脱いだり履いたりすることを考慮すれば、引越し業スタッフ、内装工事、リフォーム業などに適しています。また、平滑で余分な埃を寄せつけない分、クリーンルーム作業にも向いていると言えそうです。スリッポンには、耐滑性の機能がついた全白色タイプもあるので、厨房スタッフや食材配送業にもオススメです。
しかしながら、スニーカー安全靴やスリッポン安全靴は、職場によっては禁止されている場合があります。したがって、購入および使用する際には、職場に適した安全靴を事業所の担当者に尋ねることが必要です。