安全靴は足元を守る作業靴ですが、使用する職場や労働者の特性に合わせ、特殊な機能を持たせたものもあります。ここでは、特殊な機能を持つ安全靴として「静電靴」「防寒長靴」「高耐滑性の安全靴」「耐熱安全靴」「耐踏抜き用安全靴」を紹介します。

テスト

静電安全靴(静電気帯電防止靴)

静電靴とは、身体にたまる静電気を地面に逃して除去することができる機能が付いた安全靴です。見た目は通常の安全靴とさほど変わらず、短靴から半長靴、女性用まであります。

必要な場面で静電靴を使用することは、とても大切なことです。工場や建設の現場などでは体に静電気がたまる場合があり、帯電した体をそのままにしておくことで、危険な状態に陥ることがあります。たとえば、印刷機の輪転機周囲、粉じんを発生する「はい作業」においては、気象条件等によって静電気が発生して引火や爆発の原因にもなります。爆発は、時に重大な労働災害につながるため、そのような現場において、静電安全靴が非常に重要な役割を持っています。

 静電気による労働災害が引き起こされやすい職場では、法律により静電靴の着用が義務づけられています。詳しくは、労働安全衛生規則第286条の2により「引火性の物質から出る蒸気、可燃性のガス又は粉塵によって爆発の危険性がある場所において作業を行う場合、労働者には静電気帯電防止作業服及び静電気帯電防止用作業靴を着用させなければならない」とされています。

防寒長靴(防寒セーフティシューズ)

 防寒長靴は、寒冷地や水産業従事の労働者向けの安全靴で、外観は短靴タイプから長靴型のゴム製安全まであります。仕様としては、冷えにくい樹脂製の先芯と冷たさを遮断する二重底、裏起毛がついていることが特徴です。また、凍った床や地面などで滑るのを軽減するために、靴底が氷表面にできた水幕を逃す構造になっているものもあります。簡単に言えば、スタッドレスタイヤが細かい溝(サイプ)で水幕を逃すのと同じ原理です。

 作業用の防寒長靴は、真冬の屋外であったり一年中冷凍庫の中であったり、寒さの中で長時間作業をするような職場で使われています。そのため、安全性とともに足元の快適さを確保するために、足元を冷やしてしまう鉄芯を装着した安全靴ではなく、防寒に重きを置いた安全靴が開発されました。

滑りにくい高耐滑性の安全靴

高耐滑性の安全靴とは、滑りやすい環境での転倒事故を防ぐために履く、滑り止め効果のついた靴です。そのため、水や油汚で足元が滑りやすい職場に適しています。また、年齢労働者にも高耐滑性の安全靴はおすすめです。年齢を重ると足腰の筋力、敏捷性、持久力等が低下するため、転倒災害が発生しがちな高齢者のために、滑りにくい安全靴を選定し使用することは、労働災害の防止に役立ちます。

 耐滑性の高い安全靴の基準として、日本工業規格(JIS T8101)において、靴底の動摩擦係数は0.20以上の性能が求められています。そして、JIS8101に適合した耐滑性能靴は「耐滑性」または「F」マークが表示されているので、高耐滑性の安全靴を選ぶときには注意して確認しましょう。

耐熱性の耐熱安全靴

 耐熱性の安全靴とは、靴底が溶けてしまうような高温下での作業に適した作業靴です。熱伝導の低い素材をソールに使用することで、高温下での作業に耐えることができ、靴の内部に熱がこもらないよう断熱する構造となっています。

 必要とされる職場は、造船、溶接、鋳造、鍛造、鋳物等の製造職場です。それら職場では、作業を高温下で長時間行うことが多く、火花が散っていたり、足元に溶湯が流れていたりすることもあります。そのような環境では、通常の安全靴を履いていると底が溶けたり、靴内部が高温になって火傷をしたりする危険性が高まります。

耐踏抜き用安全靴

耐踏抜き性を持った安全靴とは、釘などの鋭利なものが表底を貫通して、足がケガすることを防止する作業靴です。耐踏抜き性があるとされる基準としては、JIS T8101において「1,100N」以上のクギの力に耐えられることとされています。簡単に言えば、約110kgの重さが釘先ほどの面積にかかっても貫通しない状態です。ただし、圧力は速度が加わると大きくなるため、耐踏抜き用安全靴はあくまでも不測の事態においてケガを軽減するものだと考えて、安全第一に務めましょう。

2015年12月3日 17:24  カテゴリー :安全靴の選び方